システムは、スナップショットを親ボリュームに関連付けた空間に保管します。この空間をスナップショットリザーブ空間と呼びます。スナップショットリザーブ空間は、単純パーティションまたは仮想ディスクの連結グループに作成できます。スナップショットを含む親ボリューム 1 つにつき、必要なスナップショットリザーブ空間は 1 つだけです。必要に応じて、スナップショットリザーブ空間は拡張できます。
次の 2 つの要因に基づき、実務に適したスナップショットリザーブ空間のサイズを判定します。1 つは親ボリュームから作成されるスナップショットの数、もう 1 つは、各スナップショットの親ボリュームでの予測されるデータの変更率です。
スナップショットリザーブ空間を割り当てる最適なタイミングは、通常、ボリュームの作成時です。これによって、空間を使い果たすことが避けられるので、あとでスナップショットリザーブ空間を拡張する必要がなくなります。ただし、ボリュームのスナップショットを作成するときに、スナップショットリザーブ空間を割り当てることもできます。最も古いスナップショットが削除されるか、とり直されるか、またはロールバックに使用されて空間が解放されると、スナップショットリザーブ空間データは回収されます。
スナップショットリザーブ空間を割り当てるときに、書き込み処理量を 1% から 100% で、スナップショット数を 1 から 32 で指定するように要求されます。スナップショット空間の最大容量の計算上では最大 32 までのスナップショットを作成できますが、ある時点でアクティブにできるスナップショットは 8 つまでです。したがって、最大で 24 のスナップショットをアクティブでない状態にして、稼働をローテーションさせることができます。
ある時点でアクティブにできるスナップショットは 8 つまでですが、最大 32 までのスナップショットをとることができることを理解するために、次の例を参考にしてください。
31 日の月の初日にデータのスナップショットをとり、毎日 1 週間分のスナップショットをとるとします。8 日目に、7 日のスナップショットを削除し、新しいスナップショットをとりますが、初日にとったスナップショットは保持されます。月の末日までに、31 のスナップショット (1 週間単位のスケジュールで循環する 1 日 1 回のスナップショット) と月の初日の 1 つのスナップショットをとることになります。
スナップショットリザーブ空間は、最も古いスナップショットが削除されるまで回収されません。この削除は 1 か月行われないため、32 のスナップショットの空間がプロビジョニングされます。月の末日には、月の初日に取られたスナップショットと最新の 7 つのスナップショットの間に、23 のアクティブでないスナップショット空間が発生します。この空間は、最も古いスナップショットが削除され、新しい月次スナップショットが取られるときに回収されます。
注 : ストレージを監視する際には、しきい値の通知をスナップショットリザーブ空間の消費速度の基準として使用してください。システムが、残された空間のレベルを表示するメッセージを生成するしきい値がいくつかあります。システムは、それぞれのボリュームで 5% 単位でスナップショットの全パーセンテージを報告します。ボリュームの領域が 70 % に達するとシステムは警告通知を生成します。90%、95%、100% のしきい値では、システムはクリティカル通知を生成します。
スナップショットリザーブ空間を割り当てると、スナップショットリザーブ空間の拡張で説明されるように、任意の時点で空間を拡張することができます。